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2018-01-16

つごもり月報 和暦霜月

明日から和暦では師走。寒さが増す今日このごろですが、庭のこぶしのつぼみがふわふわのモヘアのような起毛に包まれて大きくなってきました。着実に春は近づいてきているようです。新暦では2018年が始まって半月あまりが経ちました。2017年もさまざまな形で支えていただき、ありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。それでは、今月のいろいろをお伝えしたいと思います(書きやすさからゆるくテーマというかコーナーのようなものを設けています。つごもり月報の諸々は初回の記事の冒頭をご参照ください→)。

【Talk Over Some Tea】
遊びにきてくれたらお茶でも飲みながら話したいよもやま話といった感じのコーナーです。
2年も放置してしまい、かなり伸びた髪をようやく切って寄付しました。寄付した髪は人毛ウィッグに活用され、小児がんの治療で髪の毛を失ってしまった方に寄贈されます。髪の寄付のことは、東京にいたころお世話になっていた賛同美容室のkurikindiさんで初めて知りました。ただのゴミとして燃やしてしまうよりも、必要な方に役立ててもらえるならありがたいことです。

以前、kurikindiさんを通じて寄付してもらったことのあったジャパンヘアドネーション(JHD&C)に送ろうと思ったのですが、31センチ以上必要で、私の髪は一番長いところでぎりぎり31センチだったので、もしかしたらウィッグにはできないのかも、と思い、15センチ以上からウィッグにしてくれる「つな髪」という団体に寄付しました(ジャパンヘアドネーションではウィッグにできない髪でも研究用に転売するなどしてその収益が活動費として活用され、無駄になることはないそうです)。髪の寄付にご関心を持たれた方がいらっしゃいましたら、リンク先で寄付の方法などの詳細をよくお読みいただけますと幸いです。

【手を動かす】~最近つくったもののこと。
・レーズンあん…友人が集まって餅つきをすることになり、あんこを炊きました。砂糖が食べられない人がいたので、レーズンとアガベシロップで甘みをつけました。砂糖が食べられない人は異常な目で見られることも多いようですが、むしろ身体を健康に保つための正常な反応なのかもしれません。白砂糖は製造過程で多くの化学薬品が使われていて、カルシウムやビタミンを奪うとも言われています。また、白砂糖だと急激に血糖値を上げてしまい、依存症になりやすいとも言われていますが、アガベシロップは血糖値の上昇が緩やかです。上白糖のこってりした甘みに慣れているとちょっと物足りないかも、という感じでしたが、レーズンあんはさっぱりして酸味も少しある複雑な甘みでした。

・三日月のにぎにぎ…こどもが生まれた友人にお祝いでにぎにぎを作りました。オーガニックコットンの無漂白さらしの布に草木染めの刺しゅう糸で目と模様を刺繍して、オーガニックコットンの綿を詰めて。よく眠れるようにの願いを込めて三日月をモチーフにしました。

【しごとのこと】
普段は担当した仕事を書いていますが、今月は少し中身をご紹介したいと思います。

英語を勉強している人向けの週刊の英字新聞で、週に1度、語彙問題を作るお仕事をさせてもらっています。前週の号に登場した単語とイディオムを覚えているかどうかを確認してもらうためのもので、前週の号から3つの単語(動詞、名詞、形容詞または副詞)とイディオム1つの合計4問です。字数が短くて、その語しか当てはまらないようにするのが結構難しいです。長ければ背景や理由を書いて特定しやすいのですが、1文しか収まらない字数で表すのは頭を使います。

例文を作るときに特に気を付けていることは、新しい表現を覚えやすいようにイメージに残りやすい例文を考える(前週の文脈を要約できるならそうする。繰り返したほうが記憶に残りやすいので)、さまざまな文型に馴染めるようになるべく文型にバリエーションを持たせる、ハズレの選択肢も前週の号に出てきたものをなるべく使う(これも繰り返し目にしたほうが新しい単語を覚えやすいから)など。

それから、ちょっとだけ心に留めているのは、なるべく気持ちが明るくなるような例文にすること。自分が望まないことは例文にしないこと。よくある単語集の例文は、架空の事故や事件でたくさん人が死んだとか、気持ちが暗くなるものがよく出てきて、ああいうのだと勉強するのが嫌になるなーという感じだったので、私はそれはしないことにしようと思っています。いつもそうするのはなかなか難しいですが…。

【最近読んだ本から】
このひと月に読んだ本からおもしろかったものを紹介します。
NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法(著:マーシャル・B・ローゼンバーグ/監修:安納 献/翻訳:小川 敏子)
 NVCはNon-Violent Communicationの略で、日本語では「非暴力コミュニケーション」になりますが、お互いの考えや感情や要望を理解する共感(empathyのほう。sympathyではない)を基礎としたコミュニケーション方法なので「共感的コミュニケーション」とも呼ばれています。パーマカルチャーに取り組んでいる方々や、社会にあるさまざまな問題の解決に向けて活動されている方々がよく話題にされていて、2年ほど前から気になっていたのですが、ようやく取り寄せて読みました。
 最初通読したときは、「うーん…」とひっかかりを感じるところが多くて、会話例を読んでみても現実には難しいのではないかと思うところがあり、しっくり来ませんでした。本に書かれていたことを気にしだすと、自分が本当に思っていることを余計に言いにくくなってしまってモヤモヤしたりもしました。
 でも、ものは試しで、変に思われない程度にコミュニケーションに取り入れてみたら、攻撃をしてくる相手が穏やかさを取り戻したり、嵐のように怒っていた相手が冷静に考えられるようになったり、前向きになったり…といったことがよく起こり、実践してみて初めてNVCの効果を理解しました。
 ただ、相手の感情や考えをしっかりと聞いて受け止める、というところまでしかできないケースが多く、自分の伝えたいことを伝えることができない(相手が受け入れられる状況にない)ことが自明なことも多いので、常に実践しようとするとかなり消耗します。修行すれば疲弊しなくなるのかもしれないのですが…。
 「観察」と「評価」を区別することや(例えば「あの人はわがままだ」などは観察のように見えるけど実は主観的な評価)、自分の感情の原因を明確にしてその感情から導き出される自分の望みをはっきりさせることなど、この本に書かれている姿勢にはコミュニケーションの基礎としてとても大切なことがあると思いました。小手先のコミュニケーション術ではない、自分自身とも他人とも真剣に向き合うコミュニケーションの本という感じです。

【編集後記みたいな】
あっという間に新しい年がやってきました。お正月は少し落ち着いていたので、なかなか進められずにいた種取りやお米の脱穀(千歯こきで)を進めたり、DIYを進めたり、たまっていた繕い物を片付けたり…少し追いついてきてほっとしました。今年もしたいことがもりだくさんです。2018年が皆様にとって充実した一年になりますように。