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2018-10-08

つごもり月報―和暦葉月(20180911-1008)ver. 2-vol. 1

今日で和暦の葉月が晦日(つごもり)を迎え、明日から長月となりました。彼岸花は盛りを過ぎ、金木犀がいい香りです。みなさまお元気でお過ごしでしょうか。今年は台風の上陸が多く、被害があちこちで出ていますが、みなさまのところは大丈夫でしたか。お気をつけてお過ごしください。

先月お知らせしましたとおり、今月から少しテーマを変えてみたいと思います。好きなところだけ読んでいただくこともできるように目次もつけてみることにしました。(つごもり月報を始めた経緯については初回の記事をご覧ください→vol. 1

【1】These days ...―最近のあれこれ
【2】Words Pick Up―今月拾った英単語
【3】News Pick Up―今月拾った英文記事
【4】Happy Things―お気に入りのモノ・コト紹介
【5】Books&Music:今月は本です

【1】These days ...
最近のあれこれを書いてみようと思います。

少しずつ、自分で使うものを自分で作ってみるようになり、相方がマルシェに出店するのもおもしろいかも、と言い出しました。売りものにできそうなものがある程度たまったら出店を申し込もうかな、と思っていたら、相方が知り合いからマルシェ出店のオファーをいただき、近々、初めてマルシェに出ることになりました。私は刺繍のブローチや小物、草木染めの手紡ぎ糸で編んだ天然石のアクセサリーなどを、相方は和紙で文房具をいろいろ作りました。マルシェは今までは楽しませてもらう側でしたが、いざ、自分が出店してみる側になると、看板どうしよう?とか、ディスプレイはどうやろう?とか、包装はどうしよう?とか、頭を悩ますことがなかなかいろいろ出てきて、出店している人たちはすごいなあ…と改めて思いました。過ごしやすい季節になり、マルシェのシーズンなのか、あちらこちらで市が行われています。

【2】English Words Pick Up―今月拾った英単語
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、翻訳などの仕事もしておりまして、英語の学習などでお役に立てることもあるのかな、と思い、今月から少し英語に関するお話も書いていこうと思っています。毎月1つ、英単語をご紹介します。

今月は、sustainableという形容詞を取り上げてみたいと思います。

最近は、そのままカタカナでも「サステナブルな社会を目指し」といった感じで使われるのも見かけるようになりました。辞書を引くと、「持続可能な」という訳語が出てきます。バーバリーが売れ残りを焼却していたというニュースが話題になりましたが、このニュースを報じる記事でもsustainableという語を見かけました。

私が初めてこの言葉に出会ったのはもう10年以上前になるでしょうか。ある大企業の財務以外の価値についての評価報告書を和訳する仕事で、よくこの言葉が出てきていたのを覚えています(もっと前から出会っていたのかもしれませんが…)。このときに、辞書を引いて「持続可能な」という訳語を見て、「…ということは、今の社会の在り方は、持続可能じゃない、続けていけない、ということか、ヤバくないか…?」と思った記憶があります。

sustainは「~を持続する、維持する」という意味の動詞で、これに形容詞を作る接尾辞の-able(~できる、~することが可能な)がついて、sustainable(持続可能な)となります。反対語の「持続可能でない」は、反対語を作る接頭辞のun-がついて、unsustainable。名詞形は名詞を作る接尾辞の-ityがうしろについて、sustainability(持続可能性)です。

たとえば…
  • 資源を取り尽くすのではなくて、自然に回復するサイクルを壊さずにずっと使い続けられるようによく考えて使う
  • 気候変動の影響で住めない場所が増えないように、化石燃料の使用を控えたり、再生可能エネルギー(renewable energy)に移行する
  • 土に還らないゴミがあふれかえって、住んだり、食べ物を育てたり、森林を育んだりする場所がなくならないように、プラスチックを使わないようにしたり、リサイクルの技術を確立する
…など、環境面で使われることも多いのですが、労働者の人権や生活の質の向上など、社会の問題の解決の意味合いで使われることも増えてきました。たとえば、「働くひとが気持ちよく仕事を続けていくことができるか」というのも、sustainabilityに含まれます。

こんなふうに、sustainabilityとひとくちに言っても、本当に多岐にわたるということが、だんだんをわかってきました。たとえば、食べ物ひとつとっても、ある食べ物を食べて自分の健康を維持できるかどうか、というのもsustainableかどうか、という問いの1つで、前述の評価報告書でも、パラベンなど危険性が疑われる化学物質をしようしていないかどうかという評価項目もありました。また、その食べ物を買った値段や流通の方法がその食べ物を作る人が生産を続けていけるものかどうか、というのもsustainableかどうかという問いになります。その食べ物の育て方が土やまわりの生態系をボロボロにするやりかただと、その食べ物を手に入れることはsustainableではなくなってしまいます。

毎日の買い物で「これを買って使うことはsustainableだろうか」と疑問を持ってみたり、自分のしごとと暮らしを見つめるときにも「これは長い目で見て続けていけるだろうか?」と、さまざまな側面から考えてみることは、自分や、自分のまわりの人たち、まだ知らないだれか、社会全体、地球全体のsustainabilityにつながることかもしれません。

【3】News Pick Up―今月拾った英文記事
毎週、英語を勉強している人向けの英字新聞に出てきた単語の復習用に語彙問題を作るお仕事をさせていただいていて、コロケーションを調べたりするために英単語を入れてニュース検索(ニュースに絞らないと、正確ではない用法のものも出てきてしまうので)をすることが多いのですが、そんなときに、関心を引かれるニュースに出会うこともよくあります(識者やジャーナリストの方がおすすめしていて知ることもあります)。

学生の頃、とにかくたくさん英語を読もう、と思うものの、記事との出会いはなかなか難しかったのを覚えています。どうせ読むなら、英語に慣れるためだけではなく、読んで勉強になったり、考えさせられたり、ためになったと思えるような記事を読みたいと思って検索してみるのですが、検索だけでタイムオーバーになってしまったり…。仕事柄、英語の記事をキャッチすることが多くなった今、わりと読みやすくて参考になる記事をご紹介していけたら、英語を勉強している方のお役に少し立てるかな、と思ったので、今月から、英文記事を1本、ご紹介してみようと思います。

今月ご紹介するのは、9月30日の沖縄県知事選挙で玉城デニーさんが当選したことを伝えるニューヨーク・タイムズの記事です。長さは770語ほどになります。
U.S. Marine’s Son Wins Okinawa Election on Promise to Oppose Military Base(New York Times 2018/9/30)
BBCで放送された伊藤詩織さんのドキュメンタリーでもコメントを求められていたモトコ・リッチさんが記事を書かれています。記事に出てくる上智大学の中野晃一政治学教授はツイッターで「ニューヨーク・タイムズにこの見出しと記事が載ったことの意味は大きい」とコメントしていました。

【4】Happy Things―お気に入りのモノ・コト紹介
環境と身体によくてエシカルなものが好きで、ときどき、「おすすめの調味料は?」「本当に無添加の化粧品知ってる?」などと聞かれることがあるので、お気に入りのものを紹介してみようかな、と思いました。今月ご紹介するのは、Moonsoap(ムーンソープ)さんの石けんです。

Moonsoapさんの石けんは、タイの工房でコールドプロセスでひとつひとつ手作業で作られています。原料は無農薬や野生のものがほとんどで、ウェブサイトで各原料について、オーガニックなのか、野生なのか、無農薬なのか、フェアトレードなのか、といった情報がひとつひとつ解説されています。シャンプーにも、洗顔にも、ボディソープとしても使うことができるので、石けん一個だけあればよく、お風呂場もすっきり、旅行に行くにも身軽になりました。

世界中の都市や土地からインスピレーションを得たワールドソープが7種類、アーユルヴェーダの薬草とオイルを使ったヨギソープが3種類、ヘンプオイルを使ったヘンプソープなど、さまざまな種類があります。気になる方は、こちらでお取扱店のリストが見られますので、もしお近くにお取扱店があれば、髪と肌の質に合うものを探してみてください。

【5】Books&Music:今月は本『みんなのちきゅうカタログ』(ソーヤー海・監修)
これまでは毎月1冊、本をご紹介してきましたが、隔月で本と音楽をご紹介しようかな、と思っています。今月は本を紹介します。

御茶ノ水にあるGAIAさんでときどき買い物をしていました。地方へ移住してからも、GAIAさんのネット通販を利用させてもらっています。新商品の中に「東京アーバンパーマカルチャー」主宰のソーヤー海さんが監修した本『みんなのちきゅうカタログ』が掲載されているのが目に入り、取り寄せて読みました。

ソーヤーさんのブログによると、ホールアースカタログという1968〜1972年に刊行されたカタログにインスピレーションを受けて、2年がかりで製作されたそうです。パーマカルチャーだけではなく、朝露から水を集める方法や火起こしの方法といった自然あそび、無「敵」(敵がいなくなって仲間が増える)になるためのコミュニケーション方法など、みんなの地球で愉しく生きていくのに役立つヒントが多岐にわたって紹介されていて、やってみたいことがたくさんでした。

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和暦葉月のつごもり月報、お楽しみいただけましたら幸いです。秋の深まりも増す長月、お元気でお過ごしください。