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2019-01-05

つごもり月報―和暦霜月(2018/12/07-2019/01/05)ver. 2-vol. 4

新暦では2019年が始りました。寒い年末年始でしたが、お元気でお過ごしでしょうか。和暦では今日で霜月の晦日(つごもり)となり、明日から和暦の師走です。和暦霜月のつごもり月報をお届けします。

ご関心のありそうなものだけ読んでもらうこともしやすいように、目次のようなものもつけています(テーマの変更の経緯はこちら(vol. 14)を、つごもり月報を始めた経緯については初回の記事(vol. 1)をご覧ください)。

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【1】These days ... ―最近のあれこれ:脱穀と籾摺り
【2】Words Pick Up―今月拾った英単語:bucket list
【3】News Pick Up―今月拾った英文記事
【4】Happy Things―お気に入り紹介:ココウェルの石けん
【5】Books&Music:今月は本『暮らしのヒント集5』
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【1】These days ...:脱穀と籾摺り
最近のあれこれを書いてみようと思います。

今年もお米が実り、稲架掛けして天日干しした稲の脱穀を少しずつ相方としています。千歯扱きで外して、ふるいでゴミを選別した後、まだ取り切れていない籾と茎(?)をゴム手袋でこすり合わせて外し、米袋に入れて保管。籾つきのまま保管すると鮮度が保たれるようで、近所のお米やさんに「古米のにおいがせんなあ!」と言われたことがあります。

脱穀した後は籾摺りです。非電化工房の手動籾摺り機にかけて、ハンドルをぐるぐる。1回かけただけでは取り切れないので、5~6回かけます。2ミリ格子のふるいにかけて小さすぎて硬そうなお米を取り除き、目で見て硬そうなお米も取り除いて、ようやくお米になります。3合できるのに、籾摺りだけで1時間くらいかかります。

稲穂から米にするまでがここまで大変だとは、やってみるまでわかりませんでした。でも、そうやって食べるお米はとても貴重でありがたいものに感じられます。米が実るまでも4月から11月までかかります。種籾から細い目が出て、大きな草になって、穂が出て、花が咲いて、結実して、稲穂が垂れて、黄金色に変わって、収穫して天日に干して、種籾と主食をいただいて、と、お米の一生を追いながら食べるお米はすごく特別な感じがします。お天気がなかなか続かなくて、まだ全部の脱穀ができていませんが、折を見て少しずつ進めたいと思っています。

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【2】English Words Pick Up―今月拾った英単語
今日拾ったのは、bucket listという表現です。死ぬまでにやりたいことのリストのことを表します。

そのまま訳すと「バケツリスト」なので、なぜバケツのリストが死ぬまでにやりたいことのリストになるんだろうと思い、語源を調べたところ、あまりよい語源ではありませんでした…。

kick the bucketというスラング(「死ぬ」「くたばる」といった意味)に由来するそうで、首を吊って死ぬときにバケツの上にのって首をロープにかけて最後にバケツを蹴るところから「死ぬ」という意味になったらしいです。誰が言い出したんだろう…。

生きている間にやりたいことをリストにするという考えそのものはおもしろいなあと思うものの、あまりいい表現ではないなあ、他にいい表現はないのだろうか、と思って類語を探していたら、やっぱり違和感のある英語母語話者もある程度いらっしゃるようで、「私は絶対に使わない」と宣言している人も見かけました。代替表現を提案していたり、類語を探している方も。

聞いて理解する上では覚えておいたら役立ちそうですが、自分で使うのは少し語源も含めて考えてみたほうが良さそうな表現だと思います。

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【3】News Pick Up―今月拾った英文記事

今月はジャパンタイムズの社説からこちらの記事をご紹介します。
Privatizing the water supply(The Japan Times 2018/12/08)[約761語]

年末のTHE MANZAIでウーマンラッシュアワーのネタでもさらりと触れられていた水道の民営化についての社説です。難しそうな単語(panacea[万能薬]、dwindling[縮小する]、monopolies[独占]、deterioration[悪化]など?)も散りばめられていますが、厄介な表現はなさそうなので、辞書を引けば読み通せると思います。

こちらの記事によると、海外では1990年代に水道の民営化の動きがあった後、2000年以降、再公営化の流れになっているとのこと。パリでは1984年の民営化から25年で水道料金が3倍以上に跳ね上がり、2010年に再び公営化したそうです。

過疎化が進むとすでに何年も前からわかっていたある自治体が、維持管理費が一番安くて簡単で塩素の投入量も最も少ない「緩速ろ過」という方式を採用して今も経営がうまくいっている話を以前読んだ記憶があります。家で浄水する小型のシステムを導入しているオフグリッドハウスのことも見たことがあります。方法は他にもいろいろあるはずなのに、ろくに議論もせずにあっさり通してしまうというのはどうなんかなぁと私も思います。

自分の家の水を自給する方法について研究して少しずつ実現に向けて積み重ねていく、安価で安定して安全な水を届けてくれそうな自治体を吟味する、など、水をまともに確保する方法も模索しつつ、社会全体の人たちがちゃんと安心して水が得られる方法(こっちはちょっと複雑)を確立していきたいし、そうするにはどうしたらいいのか、考え続けていきたいと思いました。

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【4】Happy Things―お気に入りのモノ・コト紹介
今日ご紹介するのは、ココウェルの石鹸です。

ココウェルでは、フィリピンの農家の人たちと協力してものづくりをしていて、ココウェルの製品は1つ買うごとに3ペソ(約7円)がフィリピンの農家の方の支援のために活用されます。

ココウェルの石けんを初めて使ったとき、もっこもこに泡立って驚きました。シャンプーにも、顔にも、ボディソープにも、全身に使えます。無農薬のココナッツオイルを原料に、コールドプロセス製法で1カ月低温で熟成させて作られています。

香りは、クイーンサンパギータ(ジャスミンのような香り)、マイルドカモミール、ハーバルローズマリー、ピュアココナッツ、プレーンの5種類。いずれも天然の精油で香りがついています。

【5】Books&Music:今月は本『暮らしのヒント集5』(暮らしの手帖社)

おすすめの本とおすすめの音楽を隔月でご紹介しています。今月は本のご紹介です。

今月は何冊か紹介したい本があって少し迷いましたが、暮らしの手帖社から12月に発売された別冊の『暮らしのヒント集5』をご紹介したいと思います。

本屋さんとカフェが一緒になった、お茶を飲みながら選書ができる本屋さんをうろうろしていて遭遇。年代別に日々を大切に暮らしていらっしゃる方々のインタビューが載っていて、タイトルの通り、「暮らしのヒント」が見つかる本でした。

登場される方々のお名前が表紙に並ぶなかで特に目を引かれたのは、『オーガニック・ガーデン・ブック』『虫と一緒に庭づくり』などの本を読んで素敵だなあと憧れていた曳地ガーデンサービスのお二人だったのですが、他に登場されている方々もすごくよくて、何度も読み返したい言葉がたくさん詰まっていました。

私のブログを読んでくださっている方々のなかには「(ご)主人」「奥さん」「嫁」といった言葉に違和感を覚える方も多いかと思いますが、今回の『暮らしのヒント集』は、全体を通じて性差別に配慮のある言葉遣いがされていて安心して読めるのもうれしかったです。男性だろうと女性だろうと、どちらも暮らしを主体的に創り上げる個人という考え方が根底にあるのかも、という印象を受けました。

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2019年最初のつごもり月報をお届けしました。昨年もおかげさまで、元気で楽しい一年を過ごすことができました。さまざまな形でお力添えやお気持ちをいただき、ありがとうございました。2019年もみなさまにとって、健やかで幸せの多い一年になりますように。