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2019-06-02

つごもり月報和暦卯月(2019/05/05-0602) ver. 2-vol. 9

今日で和暦卯月も晦日(つごもり)、明日から和暦皐月です。皐月は本来、梅雨の時期に当たり、今年から使っている『和暦日々是好日』という手帖によると、「皐月晴れ」というのは梅雨の合間の晴天のことを指すのだそうです。このところ、雨がしとしと降り続く日も少しずつ増えてきて、そろそろ梅雨の気配もしています。

ご縁のあった方々への近況報告も兼ねて、毎月の晦日にひと月のあれこれをお伝えしています。ご関心のありそうなものだけ読んでもらうこともしやすいように、目次のようなものもつけています(テーマの変更の経緯はこちら(vol. 14)を、つごもり月報を始めた経緯については初回の記事(vol. 1)をご覧ください)。それでは、和暦卯月のつごもり月報をお届けします。

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【1】These days ... ―最近のあれこれ:畑の花
【2】Words Pick Up―今月拾った英単語:biodegradable
【3】News Pick Up―今月拾った英文記事:紫外線吸収剤の話題
【4】Happy Things―お気に入りのモノ・コト紹介:紫外線吸収剤不使用の日焼け止め
【5】Books&Music:今月は音楽
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【1】These days ...:畑の花
最近のあれこれを書いてみようと思います。

5月の中旬ごろから、野いばらやスイカズラ、センダンの花が甘い香りを放っていて、畑の行き帰りの楽しみでした。ひとりでに生えた桑の実も熟してきています。ねむの木の葉も芽吹いてきて、この柔らかい葉を見るといよいよ夏という感じがしてきます。

畑でも花がいろいろ咲いています。人参の花は白い小さな花がレース模様のように咲きます。ごぼうもとう立ちしてそろそろあざみのような花を咲かせそうです。今年初めて目にしたのがレタスの花。どうやらレタスの花は午前中の早い時間にしか見られないようで、お日さまが高く登ってくると、もう閉じてしまいます。黄色い小さな菊のような花なのですが、朝早くで閉じてしまうので、畑でしか楽しめない花のひとつです。

先月種まきをしたトマトやナスやパプリカやきゅうりなどの夏野菜たちも順調に育っていて、畑もすっかり夏に向かっています。

【2】English Words Pick Up―今月拾った英単語
今日取り上げるのはbiodegradableという単語です。プラスチックや合成界面活性剤など、自然に還らないものが環境に与える影響を考える人が増えてくるにつれて、よく見かけるようになってきました。

biodegradableは「生分解可能な」という意味の形容詞。bio(生物を表す接頭辞)+degrade(分解する)+-able(可能を表す接尾辞)=生物が分解できる→「生分解可能な」と日本語では訳されています。

生ごみのコンポストもミミズなどの生き物や微生物の力をお借りしてごみを分解して土に還す道具ですが、このcompostに-ableが付いたcompostableもbiodegradableの類義語で「土に還すことができる」という意味になります。

食器用や衣類用の洗剤に、「生分解可能」と謳われているものも増えてきましたが、裏返してラベルを見ると「本当に大丈夫?」と不安になるような成分が並んでいる製品もあります。生分解された結果、あまりよろしくない成分が生まれるのも困りもの。本当に自然環境のことを考えて作られている製品もちゃんとあるので、見抜ける力を養いたいところです。

ちなみに、今月の単語biodegradableは今回、こちらの記事からを拾いました。「生分解可能な」と謳われているビニール袋が3年経っても土に還らずに残ったままだったそうです。
'Biodegradable' plastic bags survive three years in soil and sea (The Guardian 2019/4/29)

【3】News Pick Up―今月拾った英文記事
リーディング素材として毎月1本、英文記事をご紹介しています。今月はロイター通信からこちらの記事をご紹介します。
High levels of sunscreen ingredients end up in the bloodstream: study(Reuters 2019/5/7)[約450語]
こちらのニュースは、いただいた翻訳用の記事で知りました。市販されている日焼け止め(サンスクリーン)の紫外線吸収剤の成分が血中に流れ込んでいることが研究でわかり、その量はアメリカ食品医薬品局(FDA)の基準値を大幅に上回っていたという内容です。

紫外線吸収剤がサンゴ礁を白化させるため、海水浴客に使用を禁止していたり、特にまずい成分を含む製品の販売を数年後に禁止にすることが決まっている国や地域もありますが、人間の身体にも安全とは言い切れないかもしれません。

記事には、紫外線吸収剤の成分が血液に流れ込んでいることがわかったからといって、紫外線吸収剤の成分が安全ではないということを必ずしも示すわけではないという研究チームのコメントが載っています。FDAが基準値を設けているのは、安全ではないかもしれないからなのではないのでしょうか。。紫外線吸収剤の成分には、身体によくない影響が疑われるものも多く存在します。

日焼け止めには、紫外線散乱剤が入っているものと、紫外線吸収剤が入っているものがありますが、紫外線吸収剤入りの日焼け止めは自然派の間では昔から悪名高かったので使っていませんでしたが、こちらの記事を読んで、身近な人が使っていても「まあ、人それぞれだから」とちょっと冷淡になっていた自分を反省しました。

【4】Happy Things―お気に入りのモノ・コト紹介:紫外線吸収剤不使用の日焼け止め

上記の記事を読んだ後、自然食品店やオーガニックコスメ店以外ではどんな日焼け止めが売られているのだろうと思い、近所のショッピングセンターへ行ったついでに化粧品コーナーをのぞいてみました。そしたら、意外に「紫外線吸収剤不使用」と書かれている製品もちょっと置いてあって、少し安心しました。

紫外線を吸収して日焼けを防ぐ成分(=紫外線吸収剤)ではなく、紫外線を跳ね返して日焼けを防ぐ成分(=紫外線錯乱剤)が入っているものが、比較的安全だと思います。紫外線錯乱剤をナノ粒子に加工しているものもありますが、できてからまだ日の浅い技術で安全性に関する研究も少なく、ナノ加工ではないものを選んでいます。ナノ=10億分の1メートル=100万分の1ミリ、そんなに細かいものは皮膚から吸収されそうでちょっと怖い気もします。

わりと肌が敏感なようで、紫外線錯乱剤によく使われる「酸化チタン」や「酸化亜鉛」が入っている日焼け止めをつけたら痒みが出たことがありました。なのでめったにつけないのですが、長時間炎天下にいるようなときには、Badgerのサンスクリーンをつけることにしています(94%がオーガニック成分、100%天然成分で、酸化亜鉛はノンナノです)。パッケージもかわいいだけではなく、BPA(ビスフェノールAのことで環境ホルモン)、フタル酸エステルは不使用、再生プラスチックを50%以上使用しています。

普段は、オーガニックのシアバターラズベリーシードオイルを混ぜたものをつけています(取り寄せているのはリンク先の「マンデイムーン」という会社のもの)。その前は、「マザーアース」というところで作っているフェアトレードのシアバターを使っていました(虫よけも兼ねて月桃ブレンドのにしていました)。

シアバターはアフリカの人たちが日焼けから肌を守るために昔から使っているそうで、SPF値も6~8くらいあるらしいです。ラズベリーシードオイルも植物性成分のなかでSPF値が高いことが分かっていてSPF50以上という研究結果もあるらしい(「酸化チタン」と「酸化亜鉛」は植物性ではなくミネラル(土から採取される)成分です)。ただ、私が紫外線対策に求めるものは、痛くならなくてシミができなければいいか、という程度なので、「絶対に真っ白でいたい!」という方にはおすすめしません。今のところ、これだけでも赤くもならず、シミもできず、いい感じです。個人差がありますので、あくまでご参考までに。。。

ちなみに、日焼け止めによく表示されているSPFという数値は、何もしないで日光を浴びて赤みが出る時間を何倍に延ばせるかを示した数値だそうです(参照:日本皮膚科学会「皮膚科Q&A Q12:サンスクリーン剤の性能表示」)。日光を20分浴びて赤くなる人であれば、SPF20のものをつければ20分×20倍=400分(=6時間40分)延ばせるという意味になります。SPFとはなんぞやと考えてみると、SPF50+(20分×50倍=1000分(=16時間40分)以上とか必要なのだろうか?と疑問に思えてきます。

【5】Books&Music:今月は音楽『Try』(Colbie Caillat)
おすすめの本とおすすめの音楽を隔月でご紹介しています。今月は音楽のご紹介です。

今月は『Try』(Colbie Caillat)を取り上げてみたいと思います。Colbie Caillatさんの2014年のアルバム『Gypsy Heart』の4曲目に収録されています。

最近、地方の情報誌で、高校生くらいの女の子が「インスタ映えを目指してがんばってます」と書いているのを何人か見て、気の毒になりました。スタバでパソコン仕事をしていたら、近くに座っていた大学生くらいの女の子2人も他人の外見のことばかり話題にしていて、自分の外見についてもまわりからさぞかしプレッシャーがあるのだろうと気の毒になりました。

『Try』は、まさにそういう女の子に向けて「そんなにがんばらなくてもいいよ」というメッセージを訴える一曲。ミュージックビデオでは、熱心に分厚く化粧をしたり、髪の毛をキメキメにしたり、外見をめちゃくちゃがんばっている女性たちが次々に登場し、途中から、髪の毛を下ろしたり、化粧を落としたりして、みるみる自然体の本来の自分に戻っていく様子が描かれています。

髪の毛をくるくる巻いて、メイクをばっちりして、ネイルもばっちり、破産しそうなくらい服を買いまくって、痩せるためにランニングして…みたいな、生々しい状況が歌われていて、アメリカでもそういう感じなんだなあ…と切なくなりました。その目的も「to belong(属しておくため)」と鋭く洞察した上で、そのままの自分をただの1つも変える必要なんかないと訴えていて、自然体が一番いいと思わせてくれる曲です。がんばらなきゃ仲間にしてくれないような仲間が本当に自分のことを大切にしている、大切な友人として受け入れていると言えるのだろうか?と考えさせられます。

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今月は2回、庭にキジがやってきました。大きな物音がする…と思ったら、ハーブを器用によけながら登場して、ぽてっと座っていました。怖がりさんで、カメラを向けたら鉄砲を思い出して怖いのか、すごい勢いで飛び立ちました。タヌキも1回やってきました。それほど山間部でもないのですが、自然が豊かでうれしいことです。今月も書き出したら長くなってしまいました…が、お楽しみいただけたようでしたら幸いです。楽しい皐月をお過ごしください。